言わずと知れた名作アニメ「おさるのジョージ」。子どもが観て面白いだけではなく大人が観てもためになり、親が観たら子育てについて考えさせられるアニメとして有名です。
今回はミミズレースのエピソードの大人たちが素晴らしかったので考察してみました。
子どもと遊ぶときや、子どもが何かチャレンジする時に大人はどう行動するべきかを教えてくれるようなエピソードになっています。
お話はこちらです「シーズン3 エピソード7 ミミズにょろにょろ」
過去のおさるのジョージの記事はこちら←「黄色い帽子のおじさんから学ぶ 親としての在り方」
過去のおさるのジョージの記事はこちら←「ワイズマン博士から学ぶ 子どもの失敗の結果を責めずに過程を褒める」
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お話のあらすじ
みんなが地面に向かって叫んでいる!?ミミズのレースだ!!大人も子どももみんなミミズレースに大興奮。ジョージはミミズレースをするために自分のミミズを探しに行きます。ジョージはミミズを見つけることができるのか?そしてレースに勝つことはできるのか?
主な登場人物
おさるのジョージ 知りたがり屋のこざる。黄色い帽子のおじさんと一緒に住んでいる。
クイント夫人 黄色い帽子のおじさんの別荘の近くに住んでいて川や湖の調査をしているクイントさんの奥さん。
黄色い帽子のおじさん ジョージの親のような存在。友達でもあり、良き理解者でもある。
ビル 黄色い帽子のおじさんの別荘の近くに住んでいる自然が好きなやさしい少年。ジョージが別荘に来た時の一番の友達。
遊びの先輩ビルの優しさ
田舎に住んでいるビルは、ジョージにとってお兄さん的存在です。ビルがしていることにジョージが知りたそうにしていると嫌がらずにやさしく何でも教えてくれるし、何かで遊んでいてもすぐに貸してくれます(ちゃんとルールを守って)。それに、子どもだからといって知らないことがあってもバカにせずジョージを一人の友達として信頼してくれてもいます。
そんなビルがミミズレースをしていたらジョージがやらないはずありません。ミミズレースのことを丁寧に教えてくれ、ミミズの生態に関してもわかりやすく教えてくれる。そして、楽しいことをみんなでやろうと誘ってくれる理想の近所のお兄さんです。
ジョージと湖の近くでミミズレースをすることになってもしっかりと仕切ってくれて、ジョージのミミズに負けてしまいましたがちゃんと勝利のコールをしてくれてジョージを讃えてくれます。
お話の最後にミミズレースは終わってしまうのですが、また新たにカエルのぴょんぴょんレースをやろうと誘ってくれる本当にやさしい少年です。
ビルは少年なので親として見習うという趣旨とは違いますが、自分の子どもにこんな近所のお兄さんがいたらいいなと思いました。
クイント夫人の子どもとの遊び方
ジョージとビルが湖でミミズレースをしていると、夫婦で散歩していたクイント夫人はその二人の声援を聞いて「最後にいいレースを見たのはあなたと初めてデートした時だった」と懐かしがり、「ミミズレースやってるわよ!」と大興奮してクイントさんの手を取って二人のもとに駆けだします。それを聞いた湖にいた大人も「ミミズレースだって!?」と男性も女性もみんな嬉しそうに集まってきます。ミミズレースはみんな大好きで、ミミズを嫌がる人は誰もいないのです。「GO!ミミズGO!」とみんなで掛け声をあわせて大盛り上がり。
あなたの周りにこんな大人たちはいるでしょうか?このエピソードを始めて観たとき、大人なのにみんなはしゃいで面白いなと思っていましたが、よく考えると子どもと同じように、いやそれ以上に楽しもうとする大人を周りで見たことがありませんでした。私も子どもと遊ぶときに、子どもよりはしゃいだら恥ずかしいなとか心のどこかでブレーキをかけてしまっていることに気づかされました。子どもに遊びを教える時も、自分より大人が楽しそうにやっていたらどんな子どももやりたくなるのは間違いないでしょう。大人が楽しそうにしてるかどうか子どもはよく見ています。
クイント夫人を含めた大人たちもみんな自分のミミズを用意してジョージをミミズレースの大会へ誘います。そこで、自分の畑の一番大きいミミズを「うちのクイントちゃんも負けないわよ!」と楽しそうに見せてくれて、このミミズは自分の畑で採れた野菜をいっぱいあげているから大きいのだと教えてくれます。野菜をミミズにあげてもったいないと思った人もいるかもしれません。でもクイント夫人は、ミミズは土を良くしてくれるからwinwinな関係なのよと教えてくれます。
子どもに本気で遊ぶことの楽しさと同時に自然の仕組みを教えてくれます。ミミズレースを学校の授業に取り入れても全くおかしくないと私は思います!遊びながら自然と勉強もできる、こういう場所が子どもにも大人にも必要ですね。
そしてジョージとの決勝戦まで勝ち進み、最後まで自分のミミズを応援して結果負けてしまいますが大歓声の中ミミズレースは終わりました。
黄色い帽子のおじさんの教育者としてのすばらしさ
黄色い帽子のおじさんは買い物帰りにジョージがミミズレースをやっているのを見つけます。みんな楽しそうだなーと言ってミミズレースをやっていることを知ると「すごい!12歳の時見て以来だ!」と興奮します。ジョージのそばに寄り、ジョージのミミズを応援しますがなんと呼んだらいいかジョージに聞きくと、ジョージが名前を「ウッウッアッアッー」だとおじさんに教えます。それを聞いておじさんは、「うわ、いい名前!」と褒めてくれます。そして一緒に名前を読んでミミズレースを楽しみます。
いつも黄色い帽子のおじさんの振る舞いには脱帽です。自然に楽しそうなところに入れるコミュニケーション能力の高さ、なんでも否定せず認めてほめてくれる器の広い心。ジョージがミミズにつけて名前「ウッウッアッアッー」もあのビルでさえちょっと呼ぶのが恥ずかしそうにしていたのに、それを全力で褒めてくれて一緒に名前を呼んで応援してくれる。いちいち子どもがやることに「それは違うんじゃないか?」とか頭ごなしに指摘しないところをぜひとも普段から実践したいです。
そしてジョージはミミズを飼い始めるのですが、よくわからず自分の枕の下で飼おうとします。それを見たおじさんは「あっ…、そこも悪くなさそうだな!」と笑顔で怒らずに言ってくれます。「ミミズは土を掘る生き物だよ」「シーツの上だと掘れないんじゃないか?」とやさしく悟らせるように教えてくれます。そして、ジョージがミミズは土の中で生活しないといけないのか!と気づかせた段階でミミズファーム(ミミズを入れる快適な箱)を作ることを提案します。ミミズを飼うなともかわいそうだとも言わず、ジョージにもミミズにも最大限の配慮をしてくれます。
住んでいる場所が都会だとあまりないかもしれませんが、子どもは外で捕まえた虫や生き物などを家に持って帰ってきて飼いたいと言います。私もそうだったのできっと我が子もそうなるでしょう。その時に枕の下でミミズを飼っていたらこんな落ち着いて対処できる自信はございません。わざとやったことではないのなら、怒らずにきちんと教えてあげればもう間違わない。そのことを毎回おじさんに教えていただいております。
ジョージがミミズファームに落ち葉や土を自分で入れているときにもおじさんは、「落ち葉か、それはいい!」「そして庭の土!さえてるじゃないか!」と口を出さずに行動を褒めてくれます。そして、コーヒーの出し殻を入れるといい土になるとミミズのためにもジョージのためにもなる知識を使って手助けしてくれます。そして嫌な顔一つせずにジョージのミミズファームの蓋に工具を使って空気穴まで開けてくれます。最後にジョージと一緒に、土に入っていくミミズを見て嬉しそうに顔を見合わせます。アニメ中でもこのシーンはとても微笑ましいです。
大人はおおきくなった子ども
私も子どもの頃はもちろんありました。その時は大きくなれば、周りにいる大人たちのように何でもできてかっこいい大人になるんだと信じていました。しかし、ただ大きくなったところで自分は自分です。時間が大人にしてくれるわけではありませんでした。体だけは成長しましたが。
自分に子どもが出来てようやく大人になったんだと実感するようになりました。しかし、思い描いていた大人には程遠い自分がいます。子どもはとてもかわいいですし、守ってあげたいと思える何物にも代えがたい存在です。それなのに、ちょっと駄々をこねたり言うことを聞いてくれなかったりするとイラっとしたり怒ってしまう子どもみたいな自分がいます。なんでこうなってしまったのか、大人ってなんなんだろうか…。
ミミズレースはすべて解決してくれました。大人だからしっかりしなきゃとか、みっともないからはしゃいだり、変なところは指摘してあげたりしなきゃとかそんなものはどうでもいい!ただ自分という人生を正直に生きればいいと教えてくれます。肩ひじ張らずに見栄を張らず、自分の経験を活かせるところがあれば活かし、困っている人がいれば見返りを求めずに手を差し伸べてあげ、楽しいことはみんなでとことん楽しみ、わからないことは素直に受け入れ感謝をする。そんな素晴らしい世界がおさるのジョージです。
最後に
アニメおさるのジョージは人によっては受け入れられない、観てられないという意見も聞きます。しかし、私はこれほどまでに安心して子どもに観せられて、教育的に優れているアニメは他にないのではと思います。
子どもが観ても楽しく、親も大事な何かを気づかせられる。ぜひともまだ観たことない人はご覧ください。
アニメおさるのジョージを観る方法
Prime Video2021年6月現在 おさるのジョージは全話Amazonプライムで視聴可能です。このお得な機会にぜひご覧ください!
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